片貝まつり花火大会(九日)

浅原神社秋期例大祭奉納大煙火


観覧日時2018年9月9日(日)
19:30~22:20
天候雨のち曇り
主催片貝町煙火協会
煙火店有限会社片貝煙火工業
下車駅上越新幹線
長岡駅 バス40分
観覧場所新潟県小千谷市
浅原神社桟敷席
パンフレット

9月9日(日)・10日(月)両日とも雨予報が出てしまった今年の片貝まつり。とはいえ秋雨前線活発なこの時期に開催される片貝まつりは雨に降られるのが当たり前。雨が降ろうが台風が来ようが祭は普通に開催される。正式名称「浅原神社秋季例大祭奉納大煙火」。秋祭の多くは米の収穫に由来する。ここ新潟片貝も国内屈指の米所。その米からは酒が造られ酒所としても繁栄してきた。そんな米・酒は花火とも大いに関係している。花火の玉皮(外皮)は紙を幾重にも貼り付けて強度を増している。そのときに使う糊は米を煮詰めて作った物が、花火の割薬(玉皮を破り星に火を付けこれを四方にはじき飛ばす着火剤)は米のもみ殻に火薬をまぶした物が使われてきた。米から酒を造り、その酒で財をなし、その財を米から作られた花火に注ぎ込む。酒を呑み、花火を上げ、米の豊作を神々に感謝する片貝まつりは九月に開催することに意味があるわけで雨に降られやすいからといっておいそれとはずらせないのである。雨予報は残念ではあるが今年を逃すとしばらく平日開催の期間に突入してしまう。平成最後となる今年の片貝まつり、とにかく行ってみよう。

残念なお知らせがもう一つ。例年ならオークションで入手していた桟敷席券だが今年はなぜかどれも高騰して手が出せなかった。というわけで桟敷席から観覧するためには当日入場券を入手する必要がある。桟敷席当日入場券に関して簡単に説明。桟敷席は元来花火を奉納した片貝町民のための観覧場所。ただきっちり埋まることはなく往々にして空きが発生する。それを当日に細切れで販売する、これが桟敷席当日入場券だ。年によって販売数は増減するものの毎年熾烈な獲得競争となる。2011年開催の片貝まつりで桟敷席当日入場券を購入したときは夜行快速ムーンライトえちごを乗り継いで午前7時に現地入りした。だが夜行は今はもう走ってない。そこで今回は次善の策として新幹線を使って現地入りすることにした。早朝とはいかないまでも午前9時前には現地入りできるはずである。間に合ってくれればいいのだが・・・。

予想以上に地下深かった新幹線上野駅ホームに手こずり危うく新幹線に乗り遅れそうになるものの、なんとか長岡駅に着いたのが午前7時49分。ここからバスで片貝五之町まで向かう。バスを降りるとき精算のためにと入れた100円玉だがそのまま出てきてしまう。別の100円玉を入れても、運転手さんが機器の再起動をしてみても同じ結果。それを見かねた他の乗客の方が両替を申し出てくれた。助かりましたm(_ _)m。バスを降りるときに気がついたがよく見るとバスの床は木の板だった。そうそう、子供の頃は関東でも床が木の板のバスが普通に走ってたっけ。調子の悪い精算機といい木の床といい何とも郷愁を誘う。

早速浅原神社に向かう。時刻は午前9時前。例年なら桟敷席当日入場券を求める長蛇の列が形成されてる頃である。だが現地入りしてみると・・・

桟敷席当日券売り場
午前9時頃の桟敷席当日券売り場

拍子抜けするほど列が短い。しかも既に券の販売が始まってる。以前はお昼を過ぎた頃ようやく販売を開始していたはずだが・・・。と、列に並んでる方に見覚えが。先ほどバスで小銭の精算のときに助けて頂いた方々だ。どうやら私と同じように桟敷席当日入場券を求めて来られたようだ。その方もすんなり買えたことに驚いていた。やはり天候不順が大きな要因だろう。結局この日は午後5時を過ぎても当日入場券を販売していた。結果的には新幹線で来る必要すら無かったがこんなことは初めてだ。

ちなみに今年の桟敷席当日入場券は赤席と紫席の二箇所から好きな場所を選ばせてくれた。毎度おなじみの赤席は桟敷席のもっとも右側に位置する場所。一方の紫席は大会本部のすぐ脇の場所。桟敷席の中でも最も後方、もっとも低地に位置する場所だ。どっちにするか迷ったが、花火により肉薄できる場所がいいだろうと赤席を購入。

紫席
大会本部脇の紫席。桟敷席の中でも最も後方、最も低地の場所にある

こんな早くに桟敷席を確保できるとは思わなかった。打ち上げまで相当時間がある。ちょっと周囲を観察してみよう。まずカメラ席。これは去年と同じ場所、すなわち赤席の後方と右隣に逆L字型にへばりついている。ただ去年と違い今年はカメラ席前の桟敷席の高さは低く抑えられている。今年は常識的な高さの三脚でも十分撮影できそうだ。また今年は赤席のエリアが縮小された。赤席の右側のカメラ席の前方にもはや赤席は無い。ここなら桟敷席に視界を遮られること無く撮影できる。

カメラ席
今年のカメラ席の様子。目の前の桟敷席は去年よりも低い

まだ時間がある。打ち上げ場所って見たりできるのかな?そう思い片貝中学校脇の道を上ってみた。道なりに進んで行くも深い森に視界を阻まれて筒らしきものは全く見えず。結局2時間くらいかけて打ち上げ場所を一周して片貝町まで戻ってきてしまった。森の向こうに打ち上げ場所があるはずなのだが・・・。

打ち上げ場所
森の向こう側に打ち上げ場所があるはずだ

これだけ歩き回ってもまだお昼の12時。仕方ないのでテキ屋がひしめく道を行ったり来たりして時間を潰す。と、午後2時をまわったころぽつりぽつりと雨粒が降ってきた。予報よりもだいぶ早いしそれも結構な本降り。雨が降ると気温も下がる。半袖で来たことを軽く後悔しつつ打ち上げ時の防寒用にと持ってきたウィンドブレーカーを早くも着込む。このまま外にいても雨に打たれるだけ。近くの公民館に避難する。

雨脚が弱まったのを見計らって食料と土産の調達に向かう。まずは食料。去年もお世話になった大津屋でおこわのような味の赤飯とつるんとした食感が特徴の白玉を購入する。

大津屋
大津屋にて食料を調達
白玉
白玉(赤飯は食べるのに夢中で撮影しわすれちゃいましたw)

次はお土産。お土産売り場は花火が終了する頃には店じまいしてるとのこと。去年はそのことを知らずお土産を買いそびれてしまった。なので今年は花火打ち上げ前にお土産を調達する。まずは地元池田屋の羊羹。今年は抹茶味とイチジク味を購入。そして以前から目を付けていたのが地酒の「四尺玉」。通販には対応してないのでここ新潟に来ないと買えない。いくつか種類があったので1500円と800円で売られている2種類の日本酒を試飲してみた。まず800円の方から。飲み口はフルーティー。さわやかな味がする。次に1500円の方。先ほどに比べるとやや辛口だが飲んだ後余韻を残さずスッと消える。花火も酒も消え口が重要。迷わず1500円の方を選んだ。加えて去年買い損ねたポスター付き番付(1000円)も購入したものだから荷物が結構かさばる。

土産売り場
今年は花火打ち上げ前にお土産を調達しておく

買うべき物は買った。あとは観覧あるのみ。天気予報は午後6時から7時まで雨と報じていた。今は雨がやんでいるからといって油断は禁物だ。持参してきた雨合羽を着込む。バッグも濡れないようゴミ袋の中に放り込む。それではいざ桟敷席へ。ふととある桟敷席に目を向けるとベニヤ板が反って池のように水が貯まってる。これはひどい…、どうやって観覧するんだろう。幸いにも自分の場所のベニヤ板は雨に打たれて湿ってはいるもののシートを敷けば問題無さそうだ。

水が貯まった桟敷席
水が貯まった桟敷席。ここでどうやって観覧するんだろうか・・・

午後7時半。片貝まつり九日夜の部が始まった。幸いにも今は雨は止んでいるが今回は雨予報を受けて録音機材は持ってこなかった。ところどころ携帯で動画を撮影する以外はひたすら観覧に徹するぞ。かつての片貝まつりといえば和火・牡丹・錦冠菊がメインでときどき千輪・松島の景が打ち上がるというスタイルだったが担当している煙火店が大曲の花火に参加するようになったあたりからは最新の流行も積極的に取り入れるようになってきた気がする。時差式花火・型物花火、加えて色使いもカラフルになってきた。本日(九日)は二尺玉が2発あがった。尺玉とはひと味違う力強さが魅力だ。そのあと正三尺玉が打ち上がり無事開発。見事な小花を散らせながら大輪の花が尾を引いていった。そう、ここ片貝は尺玉・二尺玉・正三尺玉・正四尺玉の全てを一度に堪能できる数少ない場所でもある。ところで気のせいだろうか、例年に比べて二尺玉・正三尺玉の迫力が大きい気がする。打ち上げ地点が若干近づいたのかな?

午後9時半打ち上げの還暦超特大スターマイン。今年還暦を迎えた片貝中学校卒業生が打ち上げるスターマインのことだ。正三尺玉・正四尺玉と並ぶ片貝の名物花火の一つだがいつも軽快なアナウンスが特徴の女性の様子がどうもおかしい。ところどころ声がつまる。聞けばなんとこの女性も今年還暦を迎えられたのこと。地元の方だから当然片貝中学校卒業生だ。万感の思いが胸にこみ上げてきたのだろう。自分が初めて片貝まつりに来たのが2004年。当時女性は40代くらいだったはず。あれから14年。そうですか、今年還暦を迎えられましたか。自分の含め、皆知らず知らずのうちに歳を重ねていたのね。

そして待ってました正四尺玉。全体的にプログラムは遅れ気味だったが正四尺玉だけはほぼ定刻通りの午後10時打ち上げ。今年も某民放で生中継されてるようだがそれとの兼ね合いもあるのかも。本日(九日)の正四尺玉は小割入りの冠菊。桟敷席をぐらりと揺らし、大輪の花を夜空に咲かせていった。

例年ならこのあと成人の打ち上げるスターマインで大団円となるところだが今年は全体の進行が遅れていたためこの後も番外の打ち上げが続いていく。周囲の人々は帰宅の準備を始めたがせっかく来たのだから最後まで観覧しよう。振り返れば雨予報に反して打ち上げ中は一切雨に降られることは無かった。煙も向かい風だった去年に比べれば幾分かマシだったろう。来て大正解だった。

午後10時20分。これにて打ち止め。急いで撤収準備を始める。ふと周りを見渡すと桟敷席からは人影が消えてた。長岡行き臨時バスが片貝五之町臨時バス停午後10時45分発。臨時快速四尺玉号が来迎寺駅午後11時17分発(26分発だった去年より早い)。あまり時間が無いものね。自分もうかうかしていられない。ところで本当はこのあと夜行バスで帰る予定だったが直前になってなんと驚愕の日にち指定ミスが発覚。今日では無く明日の便を予約してしまっていた。片貝バス停で午前0時をまたぐのが混乱の原因だった。直前にミス発覚なので空席などあるわけ無く泣く泣く夜行バスでの帰宅は諦めた。今夜は長岡で一泊する。とりあえず片貝五之町臨時バス停をめざそう。そこから長岡駅行きバスが出てるはずだ。

道を歩いていると煙が幻想的に立ちこめている。火薬の臭いはしないのでもやなのだろう。片貝五之町臨時バス停に到着したのが午後10時50分。どうやら午後10時45分発のバスは出てしまった後のようだ。来迎寺駅まで歩いて行くか。だがよく見ると臨時バス停に人の列が出来ている。付近の係の人に聞くと長岡駅に着いたバスを1両呼び戻して再度運行してくれるとのこと。ありがたやありがたや。午後11時過ぎ。バスが一台戻ってきてくれて無事乗車完了。日曜日の夜とあって道路の渋滞はほぼ皆無。日付が変わる前に長岡駅に到着した。これがもし土曜日の夜だったらこうはいかない(去年の観覧記参照)。

このあと長岡のネットカフェで仮眠を取ったあと近くの銭湯で汗を流して帰宅。雨の中歩いて長岡駅に向かったのが災いしたのか予定の普通列車にあと一歩のところで乗り遅れる。次の普通列車は3時間待ちか。ふと隣の新幹線の改札に目が行く。「新幹線で帰るか」。初めて片貝に来た2004年の頃だったら新幹線で帰ろうなどという発想は沸きもしなかっただろう。実際2004年は片貝まつりを見終えた後、青春18切符・北海道&東日本パスを使って深夜の長岡駅から(当時まだ走ってた)夜行列車のムーンライトえちごに乗って新潟まで出て、その後東北・北海道を巡ってから9月14日に秋田県で開催される神岡南外花火大会を見てから帰った。あの頃は時間とバイタリティは溢れるほどあった。あれから14年。新幹線ですごすご帰る自分。歳を取りましたλ...。

9月10日の日中に帰宅。そう、この日は片貝まつり二日目、昨夜に引き続き花火が打ち上がる。最近はネットで花火大会を実況中継してくれる人が増えてきた。長年録音してきた身だからから分かるが機材を持ち込んでの中継は本当に大変だ。そんな奇特な方々のご厚意に甘えて二日目は自宅からネット中継で片貝まつりを観覧。二日目も日中は雨が降ったようだが打ち上げの最中は雨は一滴も降らなかった模様。脂ののった秋刀魚を酒の肴に早速買ってきた純米吟醸「四尺玉」を嗜む。めでたしめでたし(・∀・)

純米吟醸「四尺玉」
使用機材一覧
写真-
映像TOSHIBA T008
レンズ
フィルタ
-
レコーダー-
マイク-
録音方式-
録音レベル-
level control-
ATT-
ウインドシールド-
備考-

一言コメント

旅の落書き帳です。記念に一言どうぞ。

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