長岡まつり大花火大会(8月3日)


観覧日時2019年8月3日(土)
19:20~21:10
天候晴れ
主催一般財団法人 長岡花火財団
下車駅JR上越線
長岡駅 徒歩25分
観覧場所新潟県長岡市
信濃川河川敷
パンフレット

「競技など無縁、ひたすら魅せることに徹する二日間」

長岡まつり大花火大会を一言で表せばこうなるだろう。8月1日に受けた長岡大空襲の犠牲者に対する慰霊から始まった花火は今や日本を代表する花火大会にまで成長した。日にち固定のため観覧しづらいが今年は久しぶりの金土開催。8月3日土曜日(大会二日目)の花火を観覧することにした。

2014年を境に長岡まつり大花火大会の観覧形態はがらりと変わった。河川敷の大規模改修工事を経てそれまで無料席だった場所の大半は有料席に変わったのだ。前回2014年に観覧したときは数少ない(長岡駅からは遠い)左岸無料席から観覧したがボヤ騒ぎで長生橋の開通が遅れ、危うく東京行き最終新幹線に乗り遅れるところだった。仕方ないので今回は(長岡駅寄りの)右岸有料ベンチ席(3000円)を買ってみることにした(ぴあのネット販売)。売れ残りを販売する二次募集から参加したのでなかなかありつくことが出来ず焦ったがしつこく食い下がること約1時間、ようやくチケットを手にすることが出来た。長岡まつり大花火大会無事観覧決定である。

帰りは新幹線だが行きはのんびり鈍行で行こう。高崎から水上までの列車がとにかく混雑していて驚いた。水上から先、長岡までの列車が混雑してるのはいつも通りだけど(普通列車は2~3時間に1本の割合なので)その手前の高崎~水上間がここまで混雑してるのは初めて経験した。自分のような花火目当ての客も少なからずいるということかな。

15時半長岡駅到着。一週間ほど前に梅雨明けしてから天候は毎日快晴。この日もホームに降りたとたんむせるような暑さに襲われる。座席は既に確保してる。ここは無理せずしばらく長岡駅で涼むことにした。

長岡駅券売機前
新幹線のチケットを買うだけでもずいぶんと並ばされた

お土産に日本酒のセットと和菓子を購入し終えると時計の針はすでに17時を回っていた。もう日もだいぶ傾いた頃だろう。花火会場に向かうことにする。駅を出て驚いたのは人の波。どこもかしこも人で溢れかえっている。昨日の段階で過去最高の人出を記録していたと聞いていたから覚悟はしていたがここまで人が多いとは・・・。普段なら25分も歩けばたどり着く会場に1時間近くかけてなんとか到着した。帰りの新幹線は余裕をみておく必要がある。

長岡駅前
長岡駅から会場に向かう
ウオロク
いつも食料を調達しているスーパーウオロク。今日はあまりの人の多さに立ち寄るのは断念した

運営から送られてきたチケットに書かれた座席位置は右岸ベンチ席の中でも最北ブロックの、さらに最北端の座席であった。右手を伸ばせば大手大橋に届きそうな場所だ。通行止めになる前の大手大橋に上って自分の座席を俯瞰してみる。右側には広大な空きスペースが広がっている。これだけ余裕があれば長めの50cmのマイクアームを使えそうだ(いつもはステレオ感に乏しい30cmタイプを使用)。偶然とは言えいい場所を引き当てた。河川敷の方に目をやるとスピーカーが設置されている。これだけ近ければアナウンスやBGMは問題無く聞けることだろう。トイレも同様に目の前の河川敷にある。男女ともにトイレ待ちの列など全く無い。凄いぞ有料席、これが金の力か(;^ω^)!

右岸ベンチ席
大手大橋より右岸ベンチ席を俯瞰する。右側には十分空きスペースがあることが分かる

打ち上げまで1時間を切ったので席に着いてスタンバイする。日が沈むとそれまでの暑さが嘘だったかのように引いていった。風が吹くと涼しさすら感じる。その風は信濃川の下流(向かって右から)から上流(左に)に向けて吹いている。花火の煙を吹き飛ばしてくれる頼もしい風だ。

さて今回は写真・動画・音声を収録する。写真・動画はCanon KissMで、音声はマイクWM-61A改とポータブルレコーダーPMD670で行う。残念ながらKissMの外部マイク入力は満足のいくS/Nを取れないことが判明したため(レンズを動かすサーボを搭載しているカメラに低ノイズを求めること自体がナンセンス)録音は従来通りポータブルレコーダーのPMD670で行う。マイクは自作のプリアンプ(ドレイン側定電流回路)を介してPMD670のライン入力に入れた。こうのす花火大会、片貝まつりで生じた右音声チャンネルの音量低下問題だが電池ケースから伸びるケーブルを交換したところ症状が治まってくれた。接触不良が原因のようだ。長岡まつり大花火大会では三尺玉があがる。うまく録音できることを願おう。

午後7時20分。長岡大空襲の犠牲者を追悼する白菊3発が打ち上げられた。長岡まつり大花火大会の始まりである。その後すぐ目の前の大手大橋の欄干の仕掛け花火に点火された。仕掛け花火からは大量の煙が発生し、下流から上流に吹く風のせいで大手大橋の仕掛け花火はすぐ煙に飲まれて見えなくなってしまった。長岡にしては珍しい風向きではないだろうか。もっとも無風よりかはよほどありがたい。

5年ぶりとなる長岡まつり大花火大会の観覧。ここ長岡ではスターマインの前に「ベスビアス」という謎の言葉を付けた花火がときどき上がる。イタリアのヴェスヴィオ火山になぞらえ、激しさや規模の大きさを表す長岡流の接頭語らしい。この言葉に嘘偽りは無く長岡のベスビアススターマインは尺玉をふんだんに投入してくる。世間一般の花火大会ではそれだけでメインディッシュになるようなスターマインがここ長岡では頻繁に上がる。以前に比べそのベスビアススターマインが占める割合も増えたような気がする(というか大半がベスビアススターマインになった。恐ろしや・・・)。他にも時差式花火といった最新のトレンドもしっかり取り入れるようになった。それも今年の鎌倉花火大会で見たようなエグい時差式花火(玉虫色に変色する花火)がバンバン上がる。久しく花火を見てない人は度肝を抜かれることだろう。

ロケーションは格段に向上した。かつて右岸はうっそうとした藪に覆われ川面も満足に見ることが出来なかった。その後河川敷の大規模改修工事を経て藪だった箇所は綺麗に整地された。今ベンチ席からはこうして川面がはっきり見える。そしてその川面に対岸から打ち上げられた花火が綺麗に映えるのだ。川面に映る花火の写真や動画は長岡まつり大花火大会の魅力を伝えるのに十分貢献することだろう。そこまで考え抜いたうえでの河川敷大規模改修だとしたらたいした物だと思う。当初観覧有料化を伴う河川敷の大規模改修に私は否定的だったがこの絶景を見せられては考え方を変えざるを得ない。

そして待ってましたフェニックス2019。打ち上げ開始を伝えるアナウンスが流れると大手大橋を挟んで隣にあるフェニックス席からひときわ高い歓声があがった。中越地震からの復興を祈願して打ち上げられたフェニックス花火は今年で15回目を迎える。従来の5分バージョンを3分バージョンに短縮し、それでいて尺玉は2倍打ち上げる。11mmのレンズをしてもせいぜい半分収めるのが精一杯なほどのワイド打ち。締めは従来の金冠の不死鳥(フェニックス)に加え青色の不死鳥も加わった。とても濃密な打ち上げだった。隣の席の初老の女性が涙を流して感動していた。生で見るフェニックス花火は今回が初めてとのこと。人々の心を打ち続ける限りフェニックス花火は文字通り不死鳥として長岡に君臨し続けるに違い無い。

お次の目玉は三尺玉3連発。二日目限定のプログラムらしい(長岡は一日目と二日目で花火の構成は微妙に異なる)。1発でも打ち上げるのが大変な三尺玉を3発連続で打ち上げるというのだから恐れ入る。写真に収めるか映像に収めるかで悩んだが三尺玉3連発は過去に観覧したことがなく間髪入れずに打ち上がる三尺玉を一枚一枚写真に収める自信が無かったため映像を選んだ。長生橋(建設は戦前だとか)の仕掛け花火が点火されてしばらくするとまず1発目の三尺玉が打ち上げられた。漆黒の夜空を染めたのはこれまた珍しい銀冠(銀色)。一般的な錦冠(金色)に比べてより高い燃焼温度が必要な銀冠が大玉で使われる自体が珍しい。というか見た記憶が無い。引きが弱かった(すぐに燃え尽きて地面近くまで垂れ下がらなかった)のは残念だったが何か新しいことにチャレンジしてやろうという心意気は十分伝わった。2発目の三尺玉は千輪二段打ち。1段目が彩色千輪で2段目が錦冠の千輪。四尺の千輪二段打ちは片貝で見たことはあるが三尺の千輪二段打ちは初めて見た気がする。3発目はオーソドックスな小割入り錦冠菊。何か新しい三尺玉を模索しようとしていることは十分伝わってきた三尺玉3連発だった。大きさ勝負の傾向が強かった大玉にも芸術面の訴求が始まりつつある。

久しぶりに訪問した長岡での至福の時間は過ぎていく。だが残念ながら帰りの新幹線の時間は刻々と近づいてくる。午後9時打ち上げの三尺玉をもってして会場を後にすることにした。大手大橋は自動車・歩行者ともに完全に通行止めになっている。その橋に通じる道路の上では大勢の観客が座って観覧している。その両脇をすり抜けるようにして長岡駅への帰路に就く。駅は入場規制はされておらず待たされること無くホームまで上がることが出来た。ただホーム上では人がごった返していて午後9時35分発の東京行きMAXときには間に合ったもののとても自由席には乗車できる状態ではなかった。仕方ないので午後9時58分発のMAXときまで待つことにした。この列車にも乗客は集中し定刻より8分遅れで長岡駅を出発、東京駅には定刻より5分遅れで到着した。新幹線の遅れに巻き込まれる形で東京駅発東海道線が定刻より2分遅れで発車し、この遅れは各駅で接続するJR在来線・私鉄の各線に波及していくことだろう。遅れに巻き込まれた乗客のうち、遠く離れた長岡まつり大花火大会が原因だと気付いている人はどれだけいるだろうか。そんな余韻に浸りながら家路に就いた。

大手大橋手前の道路
極上吉乃川
使用機材一覧
写真Canon KissM
映像Canon KissM
レンズCanon EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM
フィルタND4
レコーダーPMD670
マイクWM-61A改
録音方式ステレオAB録音(50cm)
録音レベル4.0
入力ライン入力
level controlmanual
ATT-10dB
ウインドシールド-
備考マイクはM5ねじに固定して
五円玉とマジックテープを介して
バーに固定
マイクプリはドレイン側定電流回路

一言コメント

旅の落書き帳です。記念に一言どうぞ。

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