第113回長野えびす講煙火大会


観覧日時2018年11月23日(金)
18:00~20:00
天候晴れ
主催長野商工会議所
長野商店会連合会
煙火店信州煙火工業(株)
(株)紅屋青木煙火店
下車駅JR信越本線
長野駅 徒歩25分
観覧場所長野県長野市
さい第2緑地
パンフレット

「花火といったら夏」

そんな常識を覆す花火が長野で打ち上げられている。長野えびす講煙火大会。今年で113回目を迎える。晩秋の澄み切った夜空に打ち上げられる花火は発色も音も実に素晴らしい。長野えびす講煙火大会を一度でも見れば空気が乾燥したこの時期に打ち上げる花火がどれだけ鑑賞に向いているか骨身にしみるまで分かるだろう。ただ一点、骨身にしみる寒さに目をつむれば。

長野えびす講煙火大会は長野を代表する有力煙火店が打ち上げを担当するとあってマニアの間では名の知れた花火大会だった。だが大曲の花火や長岡花火大会のように一般に対して知名度の高い花火大会では決して無い。2000年代頃まではのんびり夕方に来ても会場中央付近ですらがら空きだった。堤防道路上では発動機で電気ごたつを動かして暖を取りつつカセットコンロで鍋を温めてる牧歌的なシーンすら散見された。観客の少なさに対してテキ屋の数の多さは長野えびす講煙火大会を象徴する光景だった。なにしろ晩秋の長野はあまりのも寒い。地元の人ですら暖房の効いた家の中からガラス越しに花火を見る、それが長野えびす講煙火大会の観覧スタイルだった。

だがいつ頃からだろうか。会場中央付近の場所取りが難しくなった。帰りに通行規制が敷かれ河川敷から出るのにも待たされるほど混雑するようになった。テキ屋の数の多さに違和感を感じなくなった。午後8時には打ち止めを迎えるので北陸新幹線を使えば首都圏、北陸圏からも日帰りで観覧できる。この立地の良さも観客増に一役買っているのだろう。もとより11月23日祝日固定開催だった長野えびす講煙火大会。それが今年は土日とくっついて三連休の初日に開催される運びとなった。前にも増して混みそうだ。夕方ではなく午後2時頃に現地入りしよう。

途中立ち寄った高崎駅のトイレが混雑していた影響で信越本線の電車に乗り遅れる。次の電車は1時間後ですかorz。横川駅から先はバスに乗って碓氷峠越えするも軽井沢駅手前で渋滞に巻き込まれる。軽井沢駅からはしなの鉄道に乗車するも長野駅に着く頃は2両編成の車内は立ち客だらけの満員列車状態。凄いな三連休初日。

午後3時過ぎに長野駅に到着。なんか寒いぞ。駅前ビルの屋上に設置された温度計を見ると6℃の表示。そりゃ吐息だけで無く鼻息まで白くなるはずですわ。今はこうして晴れているので予想はいい方向に裏切られたが事前の天気予報は午前中まで雨予報、打ち上げ時間帯は曇り予報だった。それに加えてこの低温。なので今回は録音機材は持参せず、持てるキャパシティは防寒用具(コート、マフラー、セーター、手袋、もも引き、カイロ)に全振りした。

長野駅前
天気予報に反して快晴となった

その代わり今回から6年ぶりにカメラを投入する。CanonのKiss Mというレンズ交換式ミラーレスカメラだ。EF-M11-22mm F4-5.6 IS STMという広角寄りのズームレンズを使えることが決め手だった。会場の喧噪をマイクで拾える会場ど真ん中から見るのが自分の観覧スタイル。この場所から花火の全景をカメラに収めようとしたら広角レンズは必須となる。長野えびす講煙火大会は打ち上げ地点と会場が比較的近いうえワイドスターマインも打ち上げるので広角レンズの実力を調べるテストケースとしてうってつけだ。

Canon Kiss M
Canon Kiss M

お土産も買ったしそろそろ会場に向かおう。徒歩25分ほどで花火の打ち上げ会場となる犀川河川敷に到着。案の定会場中央付近はほぼ取り尽くされてる。それでもなんとか一人分+三脚を立てるスペースを確保するとまもなく日の入りの時刻。持ってきた防寒具を着込み、ありったけのカイロを衣服やマフラーに貼り付ける。指無し手袋を装着し、当然この中にもカイロを仕込む。尻の下に敷くクッションにもカイロを貼り付ける。そしてカメラと一緒に購入したbluetooth接続方式のリモートコントローラーBR-E1の動作チェックを行う。これがあれば両手をポケットに突っ込んだままカメラのシャッターを切れる。もう手がかじかむこともあるまい。晩秋の長野の寒さを甘く見てはいけないのだ。

会場の様子(17時前)
17時前の会場の様子

午後6時定刻通りに打ち上げ開始。実に6年ぶりとなる花火の写真撮影。最初のうちは学習と試行錯誤のためと割り切って撮影に臨む。レンズは広角目一杯の11mmに設定した。開幕スターマインがファインダーから溢れる様子は無い。単発ものに至ってはカメラの向きが適当でも確実に収まる。すごいぞ広角レンズ。バルブ撮影が出来るようになったのはうれしい。ただリモートコントローラーBR-E1はシャッターの開と閉でそれぞれ1回ずつ、計2回ボタンを押さなければならない。このあたりは機械式レリーズの押したら開、離したら閉の方が直感的かつ素早い動作が可能だ。改善を期待したい。絞り値は単発系はF8~F10くらいが、スターマイン系はF10~F16くらいが良さそう。一方ホワイトバランスはいい答えが見つからない。「電球」だと青みが、「くもり」にすると赤みが強調される。花火によって向き不向きがある。RAW撮影ができるので帰宅してから一枚一枚じっくりホワイトバランスを検討するのもありだがその頃には個々の花火の色味はすっかり忘れてるだろう。うーん、難しい。

オープニング

6年間に花火は進化していた。その一つが時差式花火。星一つ一つの火薬の調合を少しずつ変えていくことで部位ごとの色の変化に時間差を持たせる高度な技術を要求される花火のことだ。成功すると会場からどよめきがあがるほどの見事な花火なのだが写真にしてしまうと時間情報に乏しい光跡として記録されてしまうため一目では時差式花火と分からない残念な写真になってしまう(全国十号玉 新作花火コンテストの「Moving Star(太陽堂田村煙火店)」が一例)。他にも明と暗を上手く使いこなしてメリハリをつけた打ち上げ方をする煙火店も増えてきた。都度カメラの絞りを最適な値に設定する必要があるが変化のスピードが増せば追従していくことは困難になる。花火は絶えず進化している。写真だけで花火をフォローできる時代はもう過ぎ去ったのかもしれない。

第27回 全国十号玉 新作花火コンテスト
夜の部

かつては音楽とは無縁だった長野えびす講煙火大会も近年はミュージックスターマインを打ち上げるようになった。そんなミュージックスターマインをCanon Kiss Mの動画撮影機能で撮影してみた。4K動画も録れるがKiss M固有の制限のせいで画角が狭く切り抜かれる。素直にFullHD(60p)動画で我慢しておく。設定はオートにしてみたがちょっと明るすぎて花火の光跡にシャープさが感じられない。絞りが甘いようだ。マイクも内蔵してはいるが花火の音をまともに録れるとは思えない。外部マイクにも対応してるのでここは定番のWM-61A改を使おう。WM-61A改とKiss Mをつなぐインターフェースにはいつものドレイン側定電流回路を使用する。スピーカーが遠いので音を拾いにくいのもあるが、それでも回路上のアッテネータを-50dBに設定したのはちょっと小さすぎたようだ。おかげで音がノイジーになってしまった。でもこのノイズ、なんか回路由来な気もするぞ。おまけにキュイーンという発振を示唆する音も混入してる。音に関しても要再検討か。

振り返れば天候良し、順風良し、気温はちょっと寒かったけどおかげで空気もカラッと乾燥していて(いつもは夜露に濡れる機材が今回は全く濡れてなかった)花火の発色良し。ベストコンディションで晩秋の花火を見ることができた。まさに大当たりの回。

帰り支度も済んだので出口の方を見る。案の定河川敷中央の日赤病院付近の出口は混雑して当面通れそうにない。せっかく三連休の初日だし帰りはそんなに急がずテキ屋や夜景の写真を撮影してまわった。会場南端にも出口があるのでそこから帰ろう。長野駅21時15分発の新幹線に乗車する。自由席は混雑していて相席となる。金沢駅まで延伸して長野駅がターミナル駅じゃなくなったことも影響してるんだろうけどそれにしても乗客が増えたな。そんなことを実感しながら帰路に就く。

使用機材一覧
写真CANON Kiss M
映像CANON Kiss M
レンズ
フィルタ
EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM
レコーダーCANON Kiss M
マイクWM-61A改
録音方式ステレオAB録音
録音レベル前半50%、後半75%
level controlmanual
ATT-50dB
ウインドシールド無し
備考ドレイン側定電流回路を使用
基板上でATTを-50dBに設定

一言コメント

旅の落書き帳です。記念に一言どうぞ。

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