長岡まつり大花火大会


観覧日時2014年8月2日(土)
19:30~21:30
天候晴れ時々曇り
主催長岡まつり協議会
煙火店-
下車駅JR上越線
長岡駅 徒歩25分
観覧場所新潟県長岡市
信濃川河川敷

柏崎花火大会と長岡花火はちょうど1週間の間が空いている。そう、柏崎花火大会が土曜日に開催された年はすなわち長岡花火の初日も土曜日に開催される年なのである。2014年は多くの人に新潟三大花火のうちの2つの花火大会を堪能できる機会を与えてくれた。

今回も動画+録音という軽スタイルで臨むため例年のような始発で出かけるようなことはせず朝食をゆっくり取ってから出かけることにした。いつもと同様に上越線に乗って谷川岳を越えて長岡へ向かうわけだがとにかく列車本数が少ない。午後3時半に長岡に着く列車を逃すと次は午後7時前に長岡着の電車に乗るしか無くなる。関東から在来線を使って長岡花火を見に行くには水上-長岡のルートしか無いから必然的に午後3時半長岡着の列車に客が集中する(花火の観客だけでなく大きいリュックを背負った登山客も多数乗車していた)。それにも関わらずJR東日本は増発をすることも無ければ増結することも無い。おかげで車内は都心の満員電車の一歩手前のような混雑ぶりである。もう少しなんとかならないだろうか。

そんなこんなで谷川岳を越えてきたわけだが車内になんとなく雨の日の臭いが立ちこめてくる。窓の外を見ると案の定雨が降ってるでは無いか。今年の長岡は柏崎のときと同様近隣の都市に雨マークがついていても長岡は終日快晴という予報だった。まだまだ長岡は先だがちょっと不安になる。

15時半、長岡着。さっきまでの雨は嘘のように上がって上空は快晴である。線路沿いに今来た道を振り返ると入道雲が立ちこめている。あの入道雲が降らせた雨だったわけだ。ただ西の地平線には別の雲もあり時折太陽を隠してしまう。なんとか持ってくれればいいのだが。お土産や食料を調達しつつ17時頃花火大会会場へ向かう。

今年から長岡花火の観覧状況はがらりと変わる。右岸河川敷を平らに成形する工事が完了したのである。平らに成形された右岸河川敷は右岸ではもっとも打ち上げ地点に近い絶好の観覧場所になった。「当然」有料観覧席である。だがなぜかその変更に伴いその背後にある右岸土手のり面(大手大橋と長生橋の間)も全て有料席化されてしまった。過去の長岡花火は全て右岸土手のり面の「無料席」で観覧した。そこが今年から全て「有料席」と化した。これは痛恨の変更である。もう少し正確に言うと大手大橋と長生橋の外側にある右岸土手のり面は従来通り無料席である。だがこの場所は橋桁越しに花火の打ち上げを見ることを強いられる。どうするか・・・。

観覧席
長岡の観覧席は今年からガラッと変わる

長岡駅から25分ほど歩くと長生橋にたどり着いた。右岸がどう変貌したのか確認するべく土手の上の道に立とうとしたところ「入場券の無い方は入れません」。なんと土手ののり面だけでなく土手の上の道も有料エリアになったようだ。以前のように土手の上の道を通って長生橋と大手大橋の間を行き来することはもはや出来ない。とりあえず右岸の数少ない無料エリア、長生橋上流の土手でも見てみますか。午後5時過ぎであるがこの時間帯でものり面は十分空きスペースがある。そりゃそうでしょう、ここからじゃ長生橋に邪魔されて花火はよく見えないでしょうから。だが実はこの場所、三尺玉に限っては最も間近で見ることができるエリアだったりする。メインの花火とは別に三尺玉は唯一上流側から打ち上げられる(保安距離確保の関係で)。その三尺玉打ち上げに伴う立ち入り禁止エリアに隣接する形で配置されてるのがこの場所なのである。従って長生橋上流の無料席は三尺玉専用席と割り切るべきだ。

右岸長生橋上流側の無料席
長生橋より上流側は右岸で数少ない無料席の一つ。ただ三尺玉以外の花火は長生橋越しに見ることになるので恵まれた場所とは言い難い。ご覧の通り午後5時過ぎでもガラガラだ

橋越しに花火を見る気もしないのでさっさと長生橋を渡り左岸に向かうことにする。長生橋を渡りながら観覧席を見てびっくり。土手のり面の傾斜が緩やかになるよう整備されただけでなく、今まで背丈以上の高さの藪やうっそうとした木々に覆われていた河川敷まで綺麗に整地されて観覧席へと化してるでは無いか。もし桟敷が組まれていればうっかり大曲の花火大会会場と見間違えるような光景である。こんなにスペースがあるならせめて土手のり面だけでも無料席にしてくれれば・・・。思わずうなってしまう光景である。

無料席(2006)
かつて大半が無料席だった右岸土手のり面は(2006年撮影)…
有料席(2014)
傾斜がなだらかになるよう整地された上で全て有料席になってしまった(今年撮影)。
無料席前面(2012)
かつては土手のり面前はうっそうとした茂みだったのが(2012年撮影)…
有料席前面(2014)
綺麗に整地されて有料席(マス席)へと生まれ変わった(今年撮影)。

長生橋を12分ほど歩いて左岸に到着。こちらは以前と同様土手のり面は無料席のままである。だが空きスペースが見つからない。打ち上げまで2時間もありながら人一人が座れるスペースすら見つからないというのは首都圏の花火大会を除いて滅多に目にすることが無い。土曜日開催であること、そして右岸の無料席が大幅に減らされ、追い出された自分みたいな「難民」が左岸の無料席めがけて押し寄せてることも関係しているのかもしれない。

左岸無料席
左岸の無料席は人がびっしり・・・

そんな中本当に運良く通路沿いに一人分のスペースを見つけることが出来た。今回はここから観覧することにしよう。記念すべき左岸初観覧である。ところで左岸から観覧するに際し重要なことがある。さっき渡ってきた長生橋は仕掛け花火の関係で20時~20時45分まで通行禁止となってしまうのである。その間自動車はもとより歩行者も横断することは出来ない。今回は東京行きの新幹線で帰る予定だが最終は21時58分長岡発である。あまりうかうかしている最終の新幹線に乗り遅れてしまう(一方の大手大橋は22時まで通行禁止なので長生橋を渡る以外に帰る方法は無い)。そこで今回は次のようなプランを立ててみた。20時30分、一発目の三尺玉が打ち上げられるのを見終わったら左岸から撤収して長生橋の開通を待つ。20時45分、長生橋の開通と共に右岸に戻り、行きに偵察した三尺玉専用エリアこと右岸無料席から二発目の三尺玉(21時打ち上げ)を観覧する。締めの尺玉100発を見届けたら速攻で長岡駅まで戻り新幹線に乗る。駆け足だが花火を間近で体感し(左岸土手のり面)、三尺玉も間近で堪能し(右岸三尺玉鑑賞エリア)、帰りの新幹線にも十分間に合う、それを完全無料で実現してしまう優れたプランである(^-^)v

確保した左岸無料席
運良く確保できた左岸無料席から打ち上げ場を臨む
天候
天気は何とか持ってくれそうだ

あれこれプランを考えていたらうっかりパンフレットを買うのを忘れてしまった。そんなこんなで心配していた天候も崩れること無く花火打ち上げが開始された。今年は長岡の姉妹都市のホノルル市長も訪れて最初にスピーチを行った。長岡では長岡大空襲の戦没者追悼のために2発の白菊が打ち上げられるが今回はホノルル市からの提供も加わり4発の白菊が打ち上げられた。打ち上げを見てびっくり、左岸の土手のり面からは打ち上げ地点がよく見える。気持ち左岸の方が右岸より打ち上げ地点に近い気がする。尺玉は直上で開く感じである。右岸から観覧していた頃には味わったことが無い距離感である。右岸から見る花火は「対岸の花火」であったのに対し、左岸から見る花火は「眼前の花火」と言えようか。こりゃ左岸まで来たかいがありました。プログラムの合間には信濃川の下流と上流の端の打ち上げ台から単発花火が打ち上げられ観客を飽きさせないのも長岡花火の特徴である。その下流側の花火を見ていてふと気がついた。信濃川の下流側の地平線ギリギリのところに花火が打ち上げられている。同日開催の他の花火大会だろう。打ち上げ音も聞こえないうえ、右岸からは死角の位置にあるので今までずっと気付かなかった。今回左岸から観覧して初めて気付いた小さな発見である。※後日調べたところ三条夏まつり大花火大会のようだ。同じく信濃川河川敷で打ち上げられる花火大会である。

天候もさることながら今回は風も実に素晴らしい。信濃川上流から下流に向けて風が吹き続けている。左岸から見るにしても右岸から見るにしても理想的な風向きである。毎回風の停滞に悩まされがちな長岡花火には奇跡的な風の強さ・風向きである。しかもこの風のおかげで涼しくて過ごしやすい。2005年に初めて長岡花火を観覧したときは日中の酷暑もさることながら、日が落ちた後の暑さも無風と相まって筆舌に尽くしがたいものがあった。この暑さは撮影したほぼ全ての花火写真に盛大な星ノイズ(長時間露光撮影の際にCCDが熱を持つと発生しやすくなるノイズの一種)がちりばめられるという形で記録されている。

20時15分、長岡名物のフェニックス花火が「フェニックス10(テン)」と銘打って打ち上げられた。フェニックス花火も今年で10年目。すわなち中越地震から10年の歳月が流れたことを意味する。初めて長岡花火を観覧したのは2005年。震災の翌年のことである。河川敷一杯に打ち上げられたフェニックス花火を見た感動は今でもよく覚えている。会場近くにかけられている大手大橋、長生橋に並ぶ形で上流側に新たな橋、フェニックス大橋がかけられた。”フェニックス(不死鳥)”は花火を超えて空襲、震災を乗り越えて何度も蘇ってきた長岡の象徴になりつつある。かつては大手大橋と長生橋の二つを挟んで打ち上げられたこともあるワイドを売りにしていたフェニックス花火。しかし今年のフェニックス10はガラッと変わった。控えめに大手大橋だけを挟む形で打ち上げられるようになったのである。一見すると規模が縮小されたようにも見えるが打ち上げ台が限定された分濃密に打ち上げられるようになった。加えて高さ方向の密度も意識して打ち上げている印象を受けた。超ワイドを売りにしていた頃のフェニックス花火は打ち上げと打ち上げの間が不自然に空いたり間延びした感じを受けることもあった。以前の超ワイドフェニックス花火を否定するつもりは毛頭無いが今年のフェニックス10も十分魅力的である。

20時30分。一発目の三尺玉が打ち上げられた。最初に長生橋の仕掛け花火が点火され、そのあとおきまりの5号、7号、10号の比較用の玉が順次打ち上げられた後に三尺玉が打ち上げられた(この長生橋の仕掛け花火が原因でちょっとした混乱が生じるのだがそれはまた後述する)。比較用の玉の打ち上げで気付いたが三尺玉の打ち上げ地点は左岸土手のり面から見ると真横になるらしい。というわけで三脚を90度右に回して三尺玉を待ち受ける。そして三尺玉打ち上げ。周囲の空気を振動させるような轟音とともに三尺玉は開発した。見事にまん丸に開いた小割入り黄金すだれである。

一発目の三尺玉の打ち上げが完了した。さあ撤収だ。急いで長生橋を渡り右岸で二発目の三尺玉を間近で観覧するのだ。このため残念ながら花火「この空の花」は土手を歩きながらの観覧となってしまった。さて、20時45分の開通を待って長生橋の近くには早くも列が形成されていた。その最後尾に並んで今か今かと開通を待ったが一向に開通しない。もう20時45分はとっくに過ぎてるんですけど・・・。橋を渡るにはそれなりに時間がかかる。早く渡りきらないと二発目の三尺玉に間に合わないぞ。そんなこんなで開通待ちをしている最中に二発目の三尺玉(21時打ち上げ)が打ち上げられてしまった。ああ、いわんこっちゃ無い。右岸で見る予定だった三尺をここで見ることになるとは(トホホ・・・。なにがあったんだろう?警察のやりとりに耳を傾けているとどうやら長生橋の下でぼやが発生したらしい。長生橋に仕掛けられた仕掛け花火の火が河川敷の草木に燃え移ったようである。この消火と安全確認のために開通が遅れてるようなのである。

結局長生橋が開通したのは21時15分。花火が終わった後である。こりゃ三尺玉どころか21時58分の東京行き新幹線最終に間に合うかも微妙になってきた。普通に長生橋を歩いて渡って12分。そこから長岡駅まで歩いて25分。駅前は一足先に駅に到着した右岸の観客でごった返してるはずだから入場制限もされてるはず。どう考えても厳しい。こうなりゃ走るしか無い。汗だくになりながら走ること25分。ようやく長岡駅に到着した。心配した駅前の入場規制もまだ本格的になる前だった。21時51分発東京行き新幹線(最終の一つ前)に乗車。2014年の長岡花火の観覧は無事終えることができた。

本当はもっとゆっくり観覧したいところだが今年からムーンライトえちごが走らなくなったから帰路の選択肢が狭まってしまった。行きの上越線普通列車の本数の少なさといいなんとかなりませんかね、JR東日本さん(´・ω・`)?

長生橋より整地された右岸を臨む
長生橋より整地された右岸有料マス席を臨む
使用機材一覧
写真-
映像TOSHIBA T008
レンズ
フィルタ
-
レコーダーPMD670
マイクWM-61A改
録音方式ステレオAB録音
録音レベル2.0
level controlmanual
ATT-20dB
ウインドシールド茶こし+ストッキング

一言コメント

旅の落書き帳です。記念に一言どうぞ。

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