行こう行こうと思いつつも日にちが7月26日の固定開催のためなかなか行く機会に恵まれなかった柏崎花火大会。今年は土曜日に重なり、ようやく行く機会に恵まれた。柏崎花火大会初観覧である。
例年の柏崎花火大会の様子を見聞きするとやれ雨が降ったりだの煙に悩まされたりだのあまり諸条件に恵まれた花火大会とは言い難い。7月26日という日程のせいだろうか。毎年梅雨の影響を微妙に受けるのである。お隣の長岡も8月2日、3日固定で花火大会が開催されているがこちらは不思議と雨に降られることが少ない。たった一週間の差ではあるがこの一週間の差が柏崎と長岡の明暗を分けているらしい。
天気予報によると今年の柏崎の天気は終日晴れ。ただ柏崎の隣の上越市の天気予報は花火打ち上げの時間帯に小雨マークが表示されている。ちょっとびびりつつも柏崎は終日晴れという天気予報を信じ、思い切って録音機材も持ち込むことにした。雲行きが怪しくなったら即撤収できるようにしておこう。ちなみにカメラが壊れている関係で写真は今回もパス。携帯を使って動画を撮影することにする。
乗り換えのために長岡の一つ手前の宮内駅で一度電車から降りる。日が傾きつつある午後3時過ぎではあったが関東で味わうのとは違う新潟特有の暑さに思わず頭がクラッとする。空気が乾燥しているからだろうか。肌にまとわりつくようなジメジメした暑さではないが代わりに皮膚を焼くようなギラギラした日差しがまぶしい。遠くに入道雲が見える程度で天気は快晴である。
16時半。柏崎駅到着。駅前で花火のパンフレットが300円で売っていたのでこれを購入。花火大会の会場である海岸まで歩くこと15分。屋台が建ち並ぶ海岸に出た。打ち上げ場所は海岸沿いにもう少し左に行ったところ。せっかく柏崎まで来たのだから打ち上げ場所に近いところから観覧したい。もうちょっと歩いてみよう。
しばらく歩くとシーユース雷音という建物にたどり着いた。打ち上げ場所はこの前方の堤防あたりのはず。このあたりで場所を探すとしますか。シーユース雷音の前は一面が芝生だ。この時間帯でも一人分くらいの観覧スペースなら十分空いてるのがうれしい。これが都会の花火大会だと歩く隙間もないくらいぴっちりシートで覆われてたりするんですがね。
場所も無事確保できたので花火打ち上げ開始までちょっとあたりを散策してみた。芝生エリアから海に向かうとやがて砂浜に到達する。砂浜には机が並べられているのでここは有料観覧席のようだ。芝生エリアは砂浜より高台に位置しているのだがその境界はスロープ状の芝生エリアとなっておりここも無料スペースのようである。このスロープ状の芝生エリアは素晴らしい。海、そして花火の発射筒が設置された堤防と全てを一望できる。ここからなら海面に映る花火といったいい絵が撮れるはずである。もう少し早くこれるならこの場所の確保に挑戦する価値は十分あるだろう。
海岸沿いに左に進む。屋根のある屋外ホールといった感じの建物が見えてきた。なにやら騒がしい。近づいてみるとアイドルグループとおぼしき人たちの歌声とそのファンの声援が聞こえてくる。人が多くてステージには近づけなかったがパンフレットを見ると主に新潟県を活動拠点とするJ-POPアイドルユニット"Negicco"と書かれてる。なるほど、祭りのイベントの一つなんですね。ちょっと腹ごしらえでもと思い近くのコンビニに寄ってみたがこれまたびっくり。入場制限がされていて入り口には長蛇の列が並んでいるではないか。付近にはお店と言えばこのコンビニ一軒だけしか無いので客が集中しているようだ。30分並んで無事味噌おにぎり一個を買う。
ふと周囲を見ると背後に広がる山々には黒っぽい雲がかかっている。そういえば天気予報によればその方角の都市では雨予報でしたっけ。雲よ、こっちには来ないでくれ・・・。乗り換えのために宮内駅で降りたときに比べ日が傾いたからだろうか、だいぶ暑さは和らいできた。加えて海上を前にして左から右に向けて弱いながらも吹く風が涼しい。今日は煙に悩まされることはなさそうだ。
そしていよいよ打ち上げ開始。柏崎では主に堤防上から花火を打ち上げるらしい。左側でスターマインを、中央で尺玉やワイド花火を、右で海空打ち上げ花火が上げられる。右側から打ち上げられる海空打ち上げ花火だがこれは筒を斜めに設置して花火の玉を斜めに打ち上げる花火のことを指している。斜めに打ち上げて空中で開発する玉もあればそのまま海に落として海上で開く水中花火もある。柏崎ではこれらを混在させたスターマインを海空打ち上げ花火と呼称しているらしい。水上で扇型に開く花火はどこから見ても圧巻だが、先ほど触れた芝生と砂浜の境界の土手から観覧すれば花火が海に放り込まれる様をありありと眺めることができるはずである。狭いエリアだけに競争は熾烈を極めそうだが苦労してでもここから見る価値は十分にあるだろう。なおプログラムの合間でも左側から常に花火が打ち上げられ観客を飽きさせない。ここらへんは長岡と同じスタイルだ。また単発ものだけでなくスターマインもBGMは一切なしで打ち上げるのが柏崎の流儀らしい。ここらへんの割り切り方には後述する尺玉100発一斉打ちや三尺玉2発同時打ちにも通じる「潔さ」を感じることが出来る。
そうそう、去年の鴻巣で打ち上げられた三尺玉、四尺玉を録音したところ残念ながら歪んでしまった。20dBのアッテネータをかませた上でレコーダーのボリュームは2.0とそれなりに絞ったつもりだがそれでもダメだった。そこでレコーダーのボリューム設定に問題があったのか確かめるべく今回はボリュームをさらに1.5まで落として録音してみることにした。柏崎名物三尺玉二発同時打ちでこの効果を確かめてみた。三尺玉は前方の海上の二カ所からほぼ同時に打ち上げられた。一発目につづいて二発目も開発。打ち上げ成功である。ほぼ同時に2回の衝撃を全身に食らったわけだが振り返れば三尺以上の大玉が二発同時に開発するのを見たのは今回が初めてだ。まさに柏崎名物である。さて録音の方だが聞き直してみると・・・、残念ながら三尺玉の一発目の音は若干の歪みが入ってしまったようだ。レコーダーのボリュームも絞ったし、こりゃマイクそのものが耐えられなかったのかなぁ・・・。