第21回赤川花火大会

観覧日時2011年8月10日(水)
19:15~21:00
天候晴れのち雨
主催赤川花火大会実行委員会
(社団法人鶴岡青年会議所内)
煙火店-
下車駅JR羽越本線
鶴岡駅 徒歩25分
観覧場所山形県鶴岡市
赤川河畔
パンフレット

観覧は実に6年ぶり2度目となる赤川花火大会。全国有数の煙火店が参加する競技花火大会という形をとっていながら観客の数に対して会場のキャパが十分に広いため直前に現地入りしても十分いい場所が取れることでも定評がある。打ち上げ会場はJR羽越本線の鶴岡駅から歩いて20分程度と立地条件は恵まれてる反面、鉄路で関東南部から鶴岡駅まで行くのがこれまた一苦労。18切符で全行程鉄路で行くとなると前日のうちに出発してムーンライトえちご(新宿-新潟)という夜行快速を使わないと間に合わない。ところが7月30日に新潟県と福島県に降った記録的豪雨で土砂崩れが発生、ムーンライトえちごは長期運休となってしまった。

主催者側が推奨しているように新幹線か空路を使うという手もあるがやはり出来るだけ出費は抑えたい。というわけで今回は仙台まで18切符を使って鉄路で行き、そこから鶴岡まで高速バスを使うというルートを選択。ちなみにこのルートだと当日早朝に出発しても十分間に合う。そういえば前回もこのルートを選んだんだっけ。

ところがなんとしたことか、それまで晴れだった予報は前日になって一変、突如として打ち上げが始まる18時から雨の予報になってしまった。たしか前回もそんな予報だったけど結果的には雨には降られずに済んだ。今回もそうなることを願いつつ出発することにした。

仙台から高速バスに乗車。それまでの日焼けするような日差しも山形県に差し掛かる頃にはすっかり顔を隠し、山越えするあたりで遂にパラパラと降り始める。さすがに今回はダメかなと思うも鶴岡に到着する直前には奇跡的に晴天となり黒い雲も地平線にわずかに見えるのみ。ただ地面はかなり濡れていて直前まで激しく降っていたことをうかがわせる。それにしてもこの時期の鶴岡にしてはやけに風が強い。上空を流れる雲もいつになく速く、地平性にかかる黒っぽい雲もいつこちらに到達するか分かったものじゃない。

この日は道路が混雑していたため予定より40分遅れの18時頃鶴岡エスモールに到着。早速花火大会会場へと向かう。バスに乗っていたときは遠くに見えていた雲もすぐそこまで迫ってきている。なんとか持ってくればいいのだが…。

鶴岡に到着
鶴岡に到着。雨雲が気になる

赤川河畔に到着。40分遅れての到着のためか前回に比べて若干人の数が多い気がする。それでもそれなりにいい場所を取れてしまうのが赤川花火大会のいいところ。300円で売ってるパンフレットを買ったら時間も押し迫っていることだしそそくさとセッティングしてしまいましょう。ちなみに既に周りに敷かれていたシートには水たまりが出来ている。直前まで相当強い雨が降っていたらしい。なんとか切り抜けられればいいが…

無料観覧席
無料観覧席
この時間に来ても無料席には十分な空きスペースがある

19時15分、打ち上げ開始。忘れてはならない311で犠牲になられた東北の犠牲者に対する黙祷がささげられ、追悼花火が打ち上げられた。

追悼花火
花火打ち上げに先立ち311の犠牲者に対する追悼花火が打ち上げられた

赤川は河川敷の中央部分に有料席、その両端に無料席を設けている。打ち上げもワイドだから両者の席に有意な差はない。スピーカーも有料席の前だけでなく無料席の前にも設置してある(ただ無料席には一つしか無いため音量は比較的弱い)。年々有料席の占有面積を広げていくよその花火大会に比べれば極めて良心的な運営ではないだろうか。また花火大会の構成は競技花火(割物花火とデザイン花火)とその間に挿入される立地を生かしたワイドスターマインから成る。お隣秋田の大曲の花火を強く意識しているのだろうか。加えて赤川では二尺玉が打ち上げられる。玉数といいかなり豪勢な花火大会といえる。

赤川にしては珍しいほどの順風が吹くなか開催された花火大会であったがあいにくこの順風は雨雲まで運んできてしまった。開始から20分、ピカチュウ花火が打ち上げられる頃に突如として大粒の雨が降り始める。ああ無念。こうなっては収録どころではない。傘で激しい雨から機材を守るので精一杯。片づけすらままならない。機材セッティング後に降られる雨が一番応える。雨脚が弱まった頃を見計らい一気に機材を片づける。アナウンスのお姉さんも「煙りパタパタをしなかったのは今回が初めてです」と言ったように赤川は毎年のように滞留する煙に悩まされてきた。今回の風は恵みの風でもあるが同時に雨雲まで呼び寄せてしまったのが残念で仕方がない。

  • 丸玉屋小勝煙火店 昇曲導 三重芯変化菊
    昇曲導 三重芯変化菊
    丸玉屋小勝煙火店
  • 太陽堂田村煙火店 昇り雄花三重芯変化菊
    昇り雄花三重芯変化菊
    太陽堂田村煙火店
  • 新田煙火店 昇り曲導付四重芯変化菊
    昇り曲導付四重芯変化菊
    新田煙火店
  • ピカチュウ花火
    ピカチュウ花火
  • ピカチュウ花火
    ピカチュウ花火
  • オープニング MIC:WM-61A改
    伊那火工堀内煙火店
  • 市民花火 MIC:Nikon Coolpix5200内蔵マイク
    紅屋青木煙火店

雨の影響だろうか。途中で無料席に設置されたスピーカーが鳴らなくなったりデザイン花火の打ち上げが途中で止まってしまうトラブルもあった。ただ雨は上空に雨雲が差し掛かったときにだけ降る通り雨的なものだったためその後は滞り無く打ち上げられた。雨が大気の汚れを洗い流し、風が煙を飛ばしてくれたため夏場とは思えないほどクリアな花火だった。撮影も収録もせずパッと開く花火を見てパッと忘れる。ただそのためだけに苦労してやってきて苦労して帰っていく。「いい花火だった。また来年も見に来よう」 これこそが最高の贅沢なのかもしれない。