第28回全国新作花火競技大会

過去に観覧した2回とも雨に降られるという憂き目に遭ってきた全国新作花火競技大会。特に2回目は悲惨だった。夕刻まで夏を思わせる日差しがあったにも関わらず花火打ち上げ直前に突然のスコール。あっという間に観覧場所の石彫公園は水浸しになり（もともと水はけが悪い）花火が終わるまで持参した敷物にくるまって雨をやり過ごすほかなかった。地元の方の意見に耳を傾けるとどうも諏訪のこの時期は日中は晴れていても夕方から夜にかけて雨が降ることは珍しくもなんともないらしい。新作花火は好天の中観覧できただけで目的の9割方は達成したと思って間違いない。そんな新作花火、今年は天気予報によると終日快晴らしい。本当だろうか？念には念をと雨対策は入念にとりつつ諏訪湖へと向かうことにした。

さて今回観覧する全国新作花火競技大会はは全国の煙火店の若手花火師の方々が切磋琢磨することを目的とした花火大会。年によって若干変化するようだが今年は各人10号玉2発、3号玉10発を打ち上げて腕を競い合う（以前は3号玉ではなく2.5号玉だったがこれだと技量を発揮するには小さすぎると言うことで3号玉に拡大されたようである）。また競技の合間にはスターマインがいくつか上げられる。ちなみにこれとは別に諏訪湖では8月15日に「湖上花火大会」と称する花火大会も開催される。湖上花火大会は10号玉とスターマインからなる競技花火（前半）とスポンサー付スターマイン（後半）の組み合わせからなる。最後に「Kiss of Fire」と呼ばれる水上スターマインで締められるのは湖上花火大会も全国新作花火競技大会も同じである。

始発電車に乗って地元を出発し上諏訪駅に着いたのは午前8時55分。有料の石彫公園で観覧するべく2番ゲートの列に並ぶことにした。折り返し3列目くらいに並ぶことができた。その足で大会本部で発売している石彫公園の有料席（当日券）を購入する。9月開催の全国新作花火競技大会はこれで十分いい場所が取れるが8月開催の湖上花火大会は人の数が多すぎてこうはいかない。いい場所を取りたければ前日から石彫公園のゲート入り口に並ぶ必要があるしそもそも近年は当日券すら売ってくれない。確かに9月開催の全国新作花火競技大会は玉数や規模では8月開催の湖上花火大会に劣るかも知れないが最後に披露される水上スターマイン「Kiss of Fire」の内容はほとんど同じ。それをより最前列から見ることができる9月の大会はむしろ恵まれてるとも言える。

さて、列に並んでしまえばあとは午後3時のゲート開場まですることがない。せっかくだから辺りを散策してみよう。前回（2005年）来たときは石彫公園のすぐ左隣の区画は花火大会関係の資材置き場で立ち入り禁止だった。それが今年来てみると0番ゲートという入り口が設けられJTBの団体椅子席になっていた。増えていく観客の数に対応して地道に観覧場所も拡張しているようだ。また諏訪湖湖畔には数多くのボート乗り場があるのだがこの日に限ってはどこも即席の桟敷席を設けて一般に販売していた。こんな具合にこの日は町全体が花火一色で染められる。

そうこうしているうちに石彫公園の開場時間である午後3時が迫ってきた。列に戻りゲートオープンをひたすら待ち続ける。そしてゲートオープン。前から3列目なので比較的早くに入場できた。おかげで最前列付近に場所取り完了。こんな最前列での場所取りは8月の湖上花火大会ではまず不可能だっただろう。場所取りできて一安心である。

石彫公園の有料席は17時早々に売り切れたとのアナウンスが入る。前回観覧時（2004年と2005年）はいずれも打ち上げ直前まで売っていたから今年はそれだけ観客数も多いのだろう（加えて今年は天候の良さも影響しているはず）。

19時、予定通り諏訪市長の開会宣言の後花火が打ち上げられた。どうやら今回は雨の心配はせずに済みそうだ。三度目にしてようやく天候を気にすることなく全国新作花火競技大会を観覧することができた。ただ安定した天気のためだろうか、風の勢いがいささか弱い。途中いい感じに右側から風が吹くこともあったが全体的に風は停滞気味。それでも煙に邪魔されることが少ないのは花火の打ち上げ頻度が抑え気味だからだ。競技と競技の合間に披露されるスターマインも夏の大会のようなひたすら物量で勝負という感じでは無いので発生した煙で次の競技に影響を与えることも無い。

日中は依然として夏の気候だったがこの時期の石彫公園には赤とんぼが飛び始めている。さらに夜になると若干肌寒さを感じた。関東はしばらくの間残暑に見舞われそうだがここ諏訪には秋の足音が着実に迫ってきている。

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