ふくろい遠州の花火

全国花火名人選抜競技大会

袋井市 市制5周年記念


観覧日時2010年8月7日(土)
19:00~21:00
天候晴れ
観覧場所静岡県袋井市
親水公園
mapion
下車駅JR東海道線・袋井駅
徒歩15分
主催ふくろい遠州の花火実行委員会
煙火店-
パンフレット

花火のことを深く理解し、またこれをこよなく愛すスポンサーの存在が花火大会の名を全国区のものとした。ふくろい遠州の花火はその最たる例である。

決して立地に恵まれているわけではない。狭い河川敷で上げる花火は保安距離の関係から最大8号玉という制約が課せられる。よその有名な花火大会は総じて尺玉(10号玉)以上の花火を打ち上げていることを考えれば大きなペナルティである。それではなぜ袋井の花火の名は全国区になったのか。花火の魅力は決して大きさだけではない。そのことを袋井の花火の主催者やスポンサーが観客に伝えようと努力を続けてきたからではないだろうか。この努力は実り、最初のうちは一部の花火ファンの間だけに口コミで広がっていたその良さがやがて一般の観客の知るところとなり全国各地から観客を集める有名な花火大会へと成長していったのである。

順調に全国各地から観客を引き寄せていたふくろい遠州の花火もリーマン・ショックに端を発す景気後退の煽りを受け2009年は無念の開催見送りとなった。そして一年の休止を経て2010年、ようやく復活することが決まった。日帰りが難しい静岡での開催のためそれまで噂は耳にしつつも観覧は控えてきたふくろい遠州の花火。だが復活という話を聞いたら行かずにはいられない。2010年にして初めてふくろい遠州の花火を観覧することにした。

事前に得た情報によるとふくろい遠州の花火は有料ブロック席から見るのがお薦めとのこと。無料観覧場所もあるにはあるが橋に邪魔されたり打ち上げ地点から遠かったりするのだとか。最大8号玉までしか上げられない立地の悪さを考えればさもありなん。初めてということも考慮し有料ブロック席から観覧することにした。開催の1~2週間前に問い合わせたところまだ入手可能な席で最も安かったのは袋井市観光協会が販売している有料ブロック席だった。一人あたり85cm×85cmのスペースで3500円、写真集付。3000円で写真集が付かない席もあったがそれは既に売り切れていた。申し込むと数日後に大きな封筒が送られてきた。中を開けるとチケットの他に本当に花火の写真集、それも製本されたものが同封されていた。全ページオールカラーの写真集。過去に袋井で上げられた花火の写真が主に掲載されている。昔製本に携わった経験があるから分かるけど、全ページカラー写真となると結構いいお値段になるはず。こんな太っ腹で大丈夫かなとついつい余計な心配をしてしまう。

写真集付ブロック席
本当に写真集が同封されてきた
有料ブロック席券
有料ブロック席券

午後1時45分、袋井駅に到着。今回は既に席を押さえてあるのでもっとゆっくり現地入りしても良かったけど初めての観覧でもあるし少し周辺の様子も観察してみたい。というわけでちょっと早めに現地入りしてみた。会場があるのは袋井駅と隣の愛野駅の中間付近。というわけで線路沿いに会場まで歩くことにした。この日は晴れ時々曇り。動けば汗が出るが風があるおかげで結構涼しい。このところ猛暑日が続いていたからこの気候はありがたい。

袋井駅
午後1時45分、袋井駅到着

15分ほどで会場が見えてきた。まず目に飛び込んできたのが打ち上げ会場と線路を挟んで背後にそびえ立つ丘陵。愛野公園の敷地でもある。せっかくだし丘を登って会場全景を眺めてみることにした。打ち上げ会場からはかなり離れるけどちょうど目線の高さで花火が開く絶景ポイントのはず。だからか木立に邪魔されない見通しのいい場所はあらかた取り尽くされていた。

愛野公園
愛野公園
愛野公園の頂上付近
愛野公園の頂上付近から会場を一望

そんな愛野公園の一角にこんな場所を発見。「公式記録撮影地」と書かれているカードがぶら下げられて立ち入り出来ないようロープで区切られている。公式の撮影班が撮影するためのスペースのようだ。確かにここからなら花火大会の会場が一望できる。撮影には絶好の場所なのだろう。

公式撮影場所
個々が公式記録の撮影地であることを伝えるプレート
公式撮影場所から一望
公式撮影場所から大会会場を一望。正面に見える広愛大橋の向こうが打ち上げ場だ

愛野公園を後にし、広愛大橋を渡って会場側に向かってみる。東海道新幹線と東海道線の線路の向側にあるのが今回観覧することになる有料エリアだ。橋の左側には無料の観覧場所があるが、ご覧の通り今渡ってる橋が邪魔になってあまりよく見えないはず。

広愛大橋
広愛大橋上から会場側を一望する

もうしばらく橋の上を歩いていくとやがて打ち上げ地点が見えてきた。川の中州や対岸に筒が仕掛けられているのが分かる。お世辞にも広い場所とは言い難い。最大8号玉に制限されているのも納得できる。

打ち上げ場
川の中州や対岸に仕掛けられた打ち上げ筒

橋を下りて無料観覧エリアに寄り道してみる。ここからはどう見えるのかと言うと・・・。木立や今渡ってきた橋に邪魔されて低空で開く花火や仕掛け花火は見えない模様。加えて打ち上げ地点からの距離も離れてしまうのが難点か。そのせいか午後3時でも無料エリアはこれだけゆったりしている。

無料観覧エリア
無料観覧エリアから打ち上げ方向を一望

それでは早速有料エリアに入ってみよう。目に付くクレーンは富士山を模したナイアガラの滝を吊すためのものだったらしい。そして有料エリアにはためく「遠州トラック」の幟。何を隠そうふくろい遠州の花火の最大のスポンサーであり、ふくろい遠州の花火をここまで成長させた立役者でもある。亡くなった先代の会長さんが花火の熱烈なファンだったとのこと。遠州トラックが無ければ今のふくろい遠州の花火は無かったとも言われている。

有料エリア
有料エリアから打ち上げ方向を一望
遠州トラックの幟
会場にはためく遠州トラックの幟。ふくろい遠州の花火の最大のスポンサーである

さて今回購入した席は袋井市観光協会が販売しているブロック席だがどうも人の入りが悪い。お隣には袋井商工会議所が販売しているブロック席やバスツアー席があるのだがこれらはすし詰めの状態。こちらの観光協会のブロック席はゆったりしていてどうも申し訳ない気持ちにさせられる^^;)

打ち上げ直前
打ち上げ直前

午後7時。いよいよ花火の打ち上げ開始である。最大8号玉ということで迫力の方はいかがなものかと思っていたがすぐに考えを改めさせられることになる。最大8号玉までとしたことで保安距離を短く取ることができたのだろう。真上で開いているかのような錯覚を覚える8号玉が繰り出す振動は半端無い。8号玉なのに38mmのレンズでもフレームアウトすると言えばどれだけ近いかお分かりいただけるはずだ。スターマイン系は爆圧すら感じられる。今回はマイクに高い音圧にも耐えるJLI-60Aを選んでおいて本当に良かった。「ふくろい遠州の花火の観覧は有料席で」この言葉の意味するところがようやく理解できた。8号玉までしか上げられない立地という短所をものの見事に長所にしてしまったわけである。

後半はやや風が弱くなって煙が停滞気味になったがそれでもふくろい遠州の花火の特徴である花火の爆圧は衰えるどころかますます強くなっていった。そしてそれは遠州トラックがスポンサーに名を連ねる最後のワイドスターマインで最高潮に達した。観覧すればふくろい遠州の花火が人を引きつけてやまない理由が分かるはずだ。動画・録音ではこの魅力は半分も伝えることは出来ない。

帰りは愛野駅からいったん浜松駅へ移動、そこでムーンライトながらに乗って帰宅。関東地方からだと気軽に日帰り観覧とはいかないが、土曜固定開催なので工夫すれば観覧方法はあるはずである。

愛野駅
花火終了後の愛野駅前
使用機材一覧
写真Nikon E5200
映像Nikon E5200
レンズ
フィルタ
NDフィルタ(ND4,ND8)
色温度変換フィルタ(C4 x 2)
レコーダーMarantz PMD670
マイクJLI-60A改
録音方式バイノーラル録音
録音レベル2.0
level controlmanual
ATT-20dB
ウインドシールドスポンジ(小)

一言コメント

旅の落書き帳です。記念に一言どうぞ。

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