横浜スパークリングトワイライト

「横浜港花火ショー」

観覧日時2010年7月18日(日)
19:00~19:40
天候晴れ
主催横浜スパークリングトワイライト実行委員会
(社団法人 横浜港振興協会)
煙火店横浜 山田の花火
下車駅横浜高速鉄道みなとみらい線
元町・中華街駅 徒歩3分
観覧場所神奈川県横浜市
山下公園
パンフレット

2007年は荒天による中止(順延されなかった)、2009年は横濱開港150周年「開国博Y150」開催による警備上の問題からこれまた中止という憂き目を見た国際花火大会。そして50回以上に渡り毎年開催されてきた横浜の夏を代表する花火大会はそのままその灯火を消していくことになるのである。横浜開港150周年記念事業がそのきっかけとなったのは皮肉と見るべきか運命の巡り合わせと見るべきか。一説には膨れあがる警備費用を捻出できなくなったのが中止の原因とも言われている。いずれにせよもう二度と国際花火大会を観覧することは出来ない。そう思っていた矢先のことである。なんと同日に小規模ながら市民花火として花火大会が復活するというではないか。それがこの横浜スパークリングトワイライト「横浜港花火ショー」である。たった一年の中止期間を経て復活というあたりになんとなく出来過ぎた臭いもしないわけではないが、一からの資金集めといい花火大会関係者の苦労は察して余りある。やはり一度は見ておかなければ。

海の日前日の日曜日。この絶好な日よりとあって国際花火大会が開催される山下公園では毎年熾烈な場所取りが繰り広げられてきた。過去に一度午前10時に現地入りしたときは山下公園の主要な場所はほぼ全て取り尽くされた後だったこともある。今回市民花火に変貌したことで打ち上げ時間は今までの一時間から十分ほどと大幅に縮小された。とはいえやはり休日、それも梅雨明け直後の絶好の天候とくれば場所取りにそれなりの苦労を予想しては来たが・・・。

山下公園入口
午前11時頃山下公園に到着

予想は見事に裏切られることになる。午前11時に山下公園に到着したものの打ち上げ台船真正面の絶好な場所ですら余裕で場所取りできるほど空いている。花火大会に関する看板が掲げられていなければ山下公園に入っても今日そこで花火大会が開催されると瞬時には把握できないだろう。どこの休日の公園でも見られるのどかな昼下がりである。

メイン会場
正午になってもメイン会場はまだまだ観覧場所に余裕がある

山下公園内は午前10時を過ぎるまで誰かが観覧場所にいないと撤去されてしまうのは今回の花火大会でも同じのようだ。また芝生の養生ため人がいないときはレジャーシート等覆ってはいけないことになっている。ロープを持ってきたのは正解のようだ。今までと違うのは山下公園内の岸壁側の芝生が有料観覧場所となっている点だ。2006年に観覧したときはこの岸壁側の芝生も無料で観覧できる場所だったが財政的に厳しい今回の花火大会では少しでも資金を調達するためにこの区画が新たに有料観覧場所に編入されたようである。ちなみにこの有料観覧チケットは当日も売っていた。今回は花火打ち上げに先立ち手持ち花火のイベントを新設したようでそのイベントに参加する権利も有料観覧チケットには含まれているとのこと。大会運営資金捻出のためか確実に有料観覧場所が浸食してきてはいるがもっとも無料観覧場所も混雑しているわけでも無いからそれほど問題にはならなさそう。

山下公園内の有料観覧場所
今回から新たに山下公園内にも有料観覧場所が設けられた
山下ふ頭
今まで一部が無料観覧場所として開放されていた山下ふ頭は今回は完全に有料観覧場所と化し一般開放はされなかった

そうそう、手持ち花火以外に今回から新たにプログラムに加わったのが公称151mに及ぶ海上ナイアガラ花火。おそらく京浜地区の花火大会では初の試みとなるのでは無いか?手持ち花火といいナイアガラ花火といい花火大会に少しでも変化を付けようとする大会運営側の心意気をかいま見ることが出来る。

ナイアガラ花火
ナイアガラ花火
今回新たにプログラムに加わった海上ナイアガラ花火

さて、関東地方は前日に梅雨明け宣言がされたとあって早速の夏日だ。日なたにいるとそれだけで体力を消耗させられるからどこか適当に涼める場所にでも行くとしますか。そうそう、しばらくこないうちにマリンタワーがリニューアルオープンされていたのね。

マリンタワー
リニューアルオープンされたマリンタワー

冷房が効いているみなとみらいのホームセンターでしばし休憩する。梅雨明け宣言直後の真夏日とあってホームセンターにたどり着くまでも一苦労。今年の夏は本当に暑くなりそうだ。太陽が西日になったのを見計らいいざ山下公園へ出発。道中で巡り会う浴衣の女性に花火大会を意識させられる。2010年夏シーズン最初となる花火大会。録音・撮影に関して感覚が鈍っていなければいいが。

山下公園に再度到着する。やはり同時期に開催されていた国際花火大会に比べると観客数は少ない。この時間になってもぼちぼち空きスペースを目にする。山下公園の有料席チケット(当日券)は午後5時をまわっても依然売れ残っているようだ。

夕刻の山下公園
これでも例年に比べれば人口密度はかなり小さい

午後6時40分に雷が上げられる。この時期の横浜は風があればかなりの確率で南からの順風だ。今日も南から良い感じの風が吹いていることが雷の煙からも見て取れる。山下公園から見ると右から左に向かって風が吹いているといういつもながらの構図だ。花火の打ち上げは午後7時半ごろを予定しているとのことなのでそろそろ機材のセッティングを開始する。

午後7時、花火の打ち上げに先立ち手筒花火の披露が協賛者席で始まった。とはいえ目線の高さだからどうも見えにくい。手筒花火が披露されているのはなんとなく分かるが・・・。やはり手筒花火は見るより自分で楽しむに限りますな。

手筒花火
午後7時、手筒花火の披露が協賛者席で始まった

そして午後7時20分頃。待ちに待った花火の打ち上げが開始された。まずは横浜地区では極めて珍しいナイアガラ花火。あつぎ鮎まつり花火大会やさがみ湖湖上祭花火大会まで足を運ばないとナイアガラ花火は見ることが出来ないためナイアガラ花火は初めてという観客も結構いたのではないだろうか。ちなみにナイアガラ花火といえば静かに消えていくものが多い中、今回横浜で披露されたナイアガラ花火の最後は霞草でもおなじみのパチパチと音を立てる火薬が仕込まれていた。

ナイアガラ花火
横浜地区では珍しいナイアガラ花火が披露された

ナイアガラ花火が終わるといよいよ打ち上げ花火が開始された。主催者は変わったとはいえ担当する煙火店は国際花火大会のときと同じところのため見覚えのある玉や打ち上げシーンが数多くある。そうそう、国際花火大会のときは一つの演目が終わるたびに協賛者のアナウンスがあったが今回はそういったアナウンスは特になかった。というか最初から最後までアナウンスなんて一度も無かった。もっともその方がテンポ良く打ち上げが進むので観客の立場に立てばメリットかもしれない。

  • ニコニコ笑顔
    ニコニコ笑顔
  • アフロ
    アフロ
  • さくらんぼ千輪
    さくらんぼ千輪
  • 蝶々千輪
    蝶々千輪
  • 和火
    和火
ダイジェスト ナイアガラ花火~エンディング(4min 45sec)

時間にすると約15分程度だったがアナウンス等で打ち上げが止まることが無かったので実に濃密な花火大会だった。1時間以上続く一般的な花火大会だと中だるみなど集中力が落ちるときがあるが今回のように15分程度の花火大会に中だるみは無縁の話。15分程度の花火大会に果たして炎天下のなか場所取りし続ける価値があるかと問われれば答えに窮するが、今回の混雑状況を見れば午後からでも十分良い場所は取れそう。帰りも例年はみなとみらい線の駅は入場規制されていたはずだけど今年は入場規制はおろか並ぶ必要すらなかった。こういうのんびりとした花火大会もいいかもしれない。

マリンタワー