小田急とJRを乗り継いで花火大会が行われる熱海に着いたのは午後2時頃。 打ち上げ開始の夜8時20分まで はまだまだ時間もある。そこで付近を散策することに。熱海といえば、 そう日本でも屈指の温泉街。 録音機材のほかにもちゃっかしタオルを持参していたりする。 なんでもかつて徳川家康が入ったこともある温泉-大湯-が熱海にはあるのだとか。 それではその大湯とやらいう温泉を求めて熱海周辺を散歩してみよう。
熱海駅を降りて歩くことかれこれ1時間。例の大湯は未だ見つからず。 見事道に迷ったようだ。熱海の花火大会を特徴づけているのは三方を山に囲まれた その地形。当たり前といえば当たり前だが当然起伏も激しい。 1時間も歩いているとすっかり汗だくになってしまった。
ふもとに降りるとすでに道路沿いに屋台が何軒か軒を並べている。 やはり歴とした温泉街。花火大会は観光地熱海をアピールする絶好の 機会でもあるわけだ。
ここで改めて地形を観察してみる。なるほど、確かに三方をしっかり山々に囲まれて いるのがよくわかる。期待の持てそうな地形だ。
「よし、ここに決めた。」
波打ち際に布陣するとすかさずマイク用の三脚をセット。これで波の環境音をバックに 花火の音を拾えるはずだ。波の1/fノイズに癒されながら録音の準備をしている とそろそろいい時間になってきた。遠くで放送の音声が聞こえるが十分小さいので さほど問題は無いはず。あとは熱海の天然の音響効果をどれだけ拾えるか。
午後8時20分。会場の照明が一気に落とされる。いよいよ打ち上げ開始だ。そして・・・
花火打ち上げ開始 (mono, 53s) DPA 4062 + PMD670 | (2.23MB) | |
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期待はいい方に裏切られた。 聞く場所にも大きく依存するとは思うがこれほど反響音をはっきりと 鳴り響く花火会場は熱海が初めてだ。三方が山に囲まれたすり鉢状の地形だから だろうか。反響音が減衰することなく打ち上げ地点に戻ってくるのかもしれない。 トータルの打ち上げ時間は25分と短いが天然の音響効果にしばし酔いしれることの できた花火大会であった。
それでは他のパートも是非お聞きいただきたい。
編集は一切かけていない。
ダイジェスト1 (mono, 1min) DPA 4062 + PMD670 | (2.20MB) | |
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先に行われた神岡南外花火大会での録音で一つ反省すべき点を挙げるとすればレベルオーバーによる
音割れを警戒するあまり録音レベルを小さくしたまま全編録音を敢行してしまったことだ
(マイクはDPA4062、レコーダーはPMD670を使用。ボリュームは2.5)。
おかげで音割れすることは無かったが神岡独特の残響音を十分収められたかは疑問が残る。
そこで今回の熱海では前半は音割れしないよう神岡のときと同等のボリューム2.5で、
後半はボリュームを3.5まで上げたうえでPMD670が搭載するリミッター機能をオンにした。
上にて公開した2つの音は前半、つまりボリューム2.5で録音したものだ。
以下で公開する音は後半、ボリュームを3.5まで上げ残響音や波の音といった小さめな音を
より強調して録音したものになる。レベルオーバーした分はリミッターで削ってあるので
その副作用で全体的に高音域がかけ低音域が強調されている。
どちらの音がいいかは好みの分かれるところだと思うがここはひとつ残響音や波の音を
楽しむためと割り切って聞いていただきたい。なお録音後はソフトウェア的な処理は一切
加えていない。
ダイジェスト2 (mono, 2min28s) DPA 4062 + PMD670 | (6.82MB) | |
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(1.12MB) |
ダイジェスト3 (mono, 2min13s) DPA 4062 + PMD670 | (5.91MB) | |
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(1.02MB) |