9月10日に開催された片貝まつりを観覧した後、そのまま帰るのはもったいないと東北・北海道地方を旅することにした。そんな東北・北海道地方の旅をサポートしてくれるフリー切符がある。北海道&東日本パス。連続する五日間JR東日本とJR北海道の普通列車・快速列車が乗り放題になる。細かい違いはあるが青春18きっぷの北海道・東日本限定版だと思って差し支えない。片貝まつりの翌日、9月11日から使用を開始したので9月15日まで乗り放題になる。
このフリー切符を使って北海道まで旅行した。その帰途で東北地方でとある花火大会が開催されると聞いた。花火の町大曲の隣町の神岡で毎年9月14日に開催される神岡南外花火大会。夏に開催される大曲の花火ほどの規模は無いらしいが本場大曲の近場で開催される花火大会とあっては気になる。ちょうど旅の帰り道でもあるので寄ってみることにした。
午後4時過ぎ、神宮寺駅にて下車する。今日ここで本当に花火大会が開催されるんですか?旅ぼけして日にち間違えたかな?不安になるほど下車した乗客はまばらだった。とりあえず駅を降りて会場となる雄物川に向かう。
会場に到着すると観客をみかけてホッとする。でも会場はがら空き。好きな場所を好きなだけ陣取れる。そこで誰も場所取りしていなかった階段の最前列を陣取らせてもらった。陣取ると言っても人なんて来る気配が無いから階段の上に適当に荷物を置き三脚を展開し地べたの上に座っただけである。結局最後まで周囲を観客に囲まれることは無かった。
大会本部らしき場所では甘酒を無料で振る舞っていた。とてもアットホームな感じの花火大会だ。ただきちんと録音もしたかったのでアルコールは遠慮させてもらった。甘酒が振る舞われていた理由は次第に判明する。日が沈むにつれ気温が下がってきたのだ。9月半ばといえどここは東北。夜はさすがに寒い。持参したジャンパーを着込む。
そして定刻通り打ち上げ開始。正直地方のローカル花火大会だろうと高をくくっていたらのっけから度肝を抜かれる。目の前で花火があがったのだ。ここは雄物川河川敷だが打ち上げ場所は対岸ではなく観客がいる側のようだ。玉のサイズこそ小さいものの近い分迫力が増す。そして驚いたことに終盤にかけてミュージックスターマインがいくつか上がった(フィナーレは平原綾香の『ジュピター』)。音楽付き花火など地元の比較的大きな都市型花火でも見たことが無い。規模は小さくても花火の町大曲の近くで開催されている花火大会。取り入れている内容では最先端を行く。